この町は、まるで町そのものが
呼吸しているかのように人々が流れる。
見えない何かに急かされて、皆、先を急ぐ。
立ち止まったら置いて行かれそうな気がして...。
信号を待っていても、うつむき、見つめ合い、
あるいはぼーっと前を眺めて、
誰も空を見上げようとはしない。
否、そもそもこの町には見上げる空がなかった。
冷たい壁に囲まれた、悲しい町やね。
そんな中で、生きている。
大阪市北区梅田3-1-1
忙しく毎日生活に追われていると、
いつしか心に余裕がなくなって、
僕は空を見上げることがなくなっていた。
たまたま見上げた空に、
この時の僕は自由を感じなかった。
あれからしばらく経った今、
僕は日々見上げる空に自由を感じる。
少し、心に余裕ができたのかもしれない。