子供のころ、すべり台やブランコで遊んだ記憶がほとんどない。
人前でしゃべれなかったので自分もやりたいって言えなかったし、
1人で楽しむのも何だかむなしくて結局イヤだった。
実にめんどくさい子供だった。
月日は流れて僕もいい歳になった。
この歳になってみると逆に抵抗がなくなってきた。
ブランコなんて慣れてなさすぎてなかなかこげない。
これはこれで楽しい。すべり台なんてただすべるだけ。
でもこれはこれで楽しい。
ああどうしてあのころにこの楽しさを知らなかったんだろう。
とてももったいないことをした。
そんなことを考える24歳の秋。
奈良
ああ、何も知らなかった子供の頃に戻りたい。
時は戻せないけれど、
せめて束の間だけでも、
子供でいさせてください。