バイト先の化粧品の工場に、工場見学がやってくる。
しかし、いつも工場の説明をしている社員の人は当日休み。
キャリア的に、僕が代役をやるしかなかった。
このバイトを始めて以来の2年間で最も重大なミッション。
思い起こされるのは、さんざん期待を裏切ってきた、 前の職場での日々。
22年間、全く開かなかった心の扉。
その扉を開くのは、今しかない。一皮むけろ。
開け、開け、ひらいてくれ。
どうか。
大阪.東淀川区
少し、扉は開いた気がした。
やればできるじゃないか。
僕は嬉しくなった。
確か工場見学が無事終わった夜は、
少し豪勢な晩御飯にした気がする。
アルコールも買って。
平穏な眠い日常の連続は人をダメにするようだ。
たまにはこう、試練のようなものがないと。
そう思えば、今はぬくぬく平和に生きているなあ。
また扉は閉まってしまったかもしれない。