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プレイバック Dead or Alive 2016/4/4

眼と目があったが運の尽き。

盗撮しているのではないか?

疑うのなら、その場で問うてくれ。

 

私の眼は、あなたたちを見るための眼ではないのだから。

警察にとり囲まれるのはもううんざりだ。

 

私は、あなたたちに問いたい。

「そんなご時世」でまとめられる、

こんな生き苦しい時代の中にも、

私の居場所はありますか?と。

 

箱入り息子season4〜Dead or Alive〜

 

大阪.  空港

1週間ほどバイトを休ませてもらって、
かつてない大冒険に出かけようとしていた。
そう、日本の秘境、屋久島だ。
関西国際空港からの飛行機で早朝に鹿児島へ飛ぶため、
前日に空港入りして空港で一夜を明かす。
嵐の前の静けさとはこのことかと、
夜のシンとした空港のはりつめた空気を感じた。
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せっかくなので出発前の写真も残そうと、
カメラを構えていいポイントを探していた。
そうしたら、急に警備員なのか警察なのかわからない人たちに囲まれた。
5、6人はいただろうか。
何がいけなかったのかわからなかったが、
心臓がキュッと引き締まるような、いやな緊張感が僕を支配する。
話によると、僕のカメラの前を通った他人が、
勝手に盗撮されたと勘違いして通報したそうだった。
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もちろん盗撮はしていなかったので、警備員たちはカメラのデータを確認して去っていったが、
僕は胸が痛かった。
カメラって怖いと、その時改めて感じた。
今まで1度だけ勝手に撮るなとおじさんに怒鳴られたことがあったが、
それ以来こういった問題には直面していなかった。
これから気持ちを上げていかなければいけないのに、
なんともいやな気持ちになってしまった。
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しかし、カメラと向き合う以上、避けては通れない問題だし、
この時は大きく開き直って、
じゃあ堂々と撮ってみよう、とがむしゃらになった。
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画角に映る人皆に、
「盗撮ではないのを証明したいので、カメラにピースをしてくれませんか?」
と携帯の翻訳とつたない英語で頼んで回った。
もう本当にがむしゃらだった。
そもそも言葉が通じなかった人以外は、皆話したらわかってくれた。
僕は最大級の感謝を彼らに伝えた。
いやな思い出は、いい思い出にいつしか変わっていた
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結局、この夜は眠れなかった。
写真を撮ることの重みを、
ずっしりと感じた夜だった。

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