朝、先に起きた妻がいつも通りチンチラの「ちぇび」
に朝ごはんをあげようとした時、 ちぇびの口のまわりに血がついていた。
エサの牧草が刺さってしまったのか、歯が伸び すぎてしまったのか分からなかったが、
今までこんなことは無かったということだったので病院に連れてい くことになった。
僕は仕事に行き、
診断の結果が妻から送られてくるのを待っていた。
ただ牧草が刺さっただけだろうと思ってあまり心配はしていなかっ たのだが、 妻からのLINEの通知が鳴ってふとを目をやると、 「手術」「明日」「子宮をとる」
一瞬、何のことか分からなかった。 説明を聞くと、
子宮の中にうみ?
がたまっていて子宮が大きくはれているらしい。
放っておいたら破裂して死に至る可能性もあるとのこと。
頭の中が整理されるまでしばらくかかった。
そんな危険な状態だとは気づかず今まで接してきた。
あの可愛らしいひとみの奥にそんな影が潜んでいようとは。 気づけなかった。ごめんよ。
事は急を要する。すでに手術は明日に迫っているのだ。
一旦は家に帰ってきたちぇびだが、また明日の朝、 病院へ行き昼には子宮を摘出する手術をうける。 仕事が終わって家に帰ると、
いつも通りエサをむさぼるちぇびがいた。
散歩はさすがに疲れていたのかあまり出てこなかった。 この子に言葉は通じない。
なんとなく僕らの雰囲気がいつもと違うのは感じとっているかもし
れないが、 今、自分がどういう状況にあって、明日、何が起こるのか、
この子は知らない。 この可愛らしいまっすぐなひとみにはどんな明日が映っているのだ
ろう。 どうか、19日が無事に終わりますように。この子を信じよう。
大阪.豊中市