「幼稚園では絶対に喋れへん!」って親に謎の宣言をした幼稚園時代。
幼稚園からの流れで、クラスメイトと一言も喋らずに過ごした小学校時代。
少し喋れるようになったが、基本的に教室の隅で
本ばかり読んでいた中学校時代。
幼馴染達とは違う高校に行き、友達の作り方がわからず、
常に受け身で過ごした高校時代。
本当はもっと喋りたかったし、
本当はもっと目立ちたかったし、
本当はもっと自分を知って欲しかったし、
本当は、もっと伝えたかった。
...その気持ちとは裏腹に、僕の言葉は、出てこなかった。
そんな僕が、高校で進路を決めるとき、偶然か必然か選んだ道。
それが、写真という生き方だった。
僕の言葉ではできなかったことを、写真という言葉はやってのけた。
写真という言葉を通じて、初めて自然に友達ができたし、恋人もできた。
写真という言葉は、いつの間にか僕の言葉になっていた。
写真なら自分を伝えられる気がする。
僕は、教室の隅っこなんかよりも、
もっともっと「僕らしい居場所」を見つけた。